ボックスを複合させた新たな構成方法で、
R+houseの次なるデザインを提案

ボックスを複合させた新たな構成方法で、R+houseの次なるデザインを提案03

千葉県・成田モデルハウス/R+house成田 LHアーキテクチャ

DATA

point of the plan

01/  R+houseの構造ルールを守りながら、新たなかたちを提案。

02/  メインのボックスに階段ホールのボックスを貫通させて、外と内をつなぐ。

03/  メインのボックスにダイニングとキッチンのボックスを差し込んで、暮らしの空間を構成。

04/  ボックス間の余白が、空間を豊かさにする。

3つのボックスがせり出し浮いているという、これまでのR+houseの家とは異なる佇まいの成田モデルハウス。ワンランク上のデザインを表現するパイロットモデルとして設計されました。

難題に取り組んだのは、建築家の長谷部勉さん。

思案の結果、「パネルでボックスを組んでいくR+houseの基本ルールはそのままに、いくつかのボックスに機能を持たせ、大きなボックスにそれらを差し込んで、空間を構成しました」と長谷部さん。ここでは、階段ホール、ダイニング、キッチンの機能を持った3つのボックスを想定。階段ホールは大きなボックスに貫通させ、家の向こう側の景色を家の中に取り込むことで外と内をつなげ、1、2階を吹き抜けとすることでその効果を拡張しています。ダイニングとキッチンのボックスは約半分が差し込まれ、残った部分が外から見ると浮いている、というわけです。

 また、約1.6mの敷地の高低差もポイントでした。土地を平らにせず傾斜に沿って建てたことで、階段ホールのボックスには印象的な階段のアプローチが設けられ、2つのボックスは地面からさらに浮くことに。新たなかたちを求めて一見奇抜な外観となりましたが、プランはとてもシンプル。整然と配置された中に、ゆとりや豊かさをもたらす余白のデザインが施されています。

リビングよりダイニングを見る。外観の白い壁のボックス内がこのダイニングスペースで、このボックスだけ床を下げている。LDKのプランはいたってシンプル。部分的な壁でゆるやかに仕切られているが、全体的にはワンルームとなっている

階段ホール側からキッチン側に向かって見る。右奥がキッチン。ダイニングのボックスの内側の壁は黒にして、インテリアでも領域分けをしている。天井の黒のスリットは照明。彫り込んで黒く塗装し、ダウンライトを埋め込んだ

窓を大きくとったダイニングは、日光がさんさんと入る明るい空間

キッチンは小窓で閉じ、落ち着いて作業のできる空間に。ダイニングとはつながりながらもちょっとした距離を感じるのは、2つのボックス間にガラス窓を嵌め、余白を取っているから。外の景色を取り込むその余白が空間のゆとりや豊かさにつながる

「これまでの構造ルールを用いながら、これまでのかたちとは違うものをどれだけつくれるか、という挑戦でした。高いデザイン性、上質な空気感を目指しました」
HASEBE,Tsutomu

明かりが灯ると、よりはっきりと形が浮かび上がり、ボックスで構成されている様が見て取れる