コートハウスでプライバシーを確保
中庭がもたらす開放的な室内

コートハウスでプライバシーを確保中庭がもたらす開放的な室内07

愛知県・西尾モデルハウス/R+house蒲郡 リキュー

DATA

point of the plan

01/  閉じた建物で、近隣からの視線や音を遮断。

02/  家の中の3つの外部(中庭、サービスヤード、バルコニー)で、光や風を取り入れる。

03/  玄関土間を広くとって趣味のスペースと2つの動線を確保。

04/  内も外も回遊できる間取り。

 都市型建設の提案である「西尾モデルハウス」。設計は建築家・平田大和さんが手がけました。想定したのは、30代のご夫婦にお子さん2人。趣味はサイクリングなどのアウトドアで、奥様はカフェ巡りも好きというデザイン感度の高いご家族です。

 敷地は3方道路で南には幹線道路もあり、音も気になるところ。そこで平田さんが提案したのは、「コートハウスで内に開けた家」。外は壁でシャットアウトし、中庭、2階のインナーバルコニー、1階バックヤードと、室内的に使える外の空間を3つ設けることで光や風を取り込み、明るく気持ちのいい内部空間を実現しました。

 内部の特徴は、広くとった玄関土間に中庭を囲むようにおいたLDK。玄関土間は、自転車置き場兼メンテナンスの場であり、ご主人の書斎でもあります。玄関からの動線は2つ。手前のシューズクロークから洗面室に至る裏動線と、中庭側からリビングへ入る動線です。また、土間から中庭を通ってダイニングに行くことも可能。「中庭を介して、玄関土間、リビング、ダイニングがつながっていて、行き止まりのないプランになっています」と平田さん。そして、インテリアは「ブルックリンスタイル」。本物の素材にヴィンテージ物やスモーキーカラーなどでスタイリッシュに仕上げました。

ダイニング背面のカウンターは子どもや奥様のリビングデスクに。キッチンの裏側にある部屋はランドリー・家事スペースで、隣はサービスヤード。見えないところで家事が終えられ、洗濯物は内干しも外干しもできる

1階と2階をつなぐ吹き抜けは、2階からの光や風の通り道ともなる。

バルコニーや小窓からの採光で十分に明るい2階。吹き抜けを通して1階とも会話ができる

「コートハウスで内に開けたシェルターという考えです。外は壁でシャットアウトし、室内的に使える外の空間で開放的に。そして、限られた面積を広く使えるよう、中庭を介して行き止まりのないサーキュリープランにしています」
HIRATA,Yamato

玄関からは2つの動線があり、家族はテレビ裏のシューズクロークを通って。来客は、土間を通って中庭側、階段前から2階の寝室。奥の南北に抜けるバルコニーは、板張りの壁で閉じられているので近隣を気にせず使える

道路に面した南側は、壁で囲われた静かな佇まい。この壁の向こうに、中庭、ダイニング、サービスヤードが並んでおり、外観からは想像できない空間が広がっている